| 爽やかな雨上がりの朝…
「太郎さん。おはようございます」 エリカが太郎に声をかける。 「エリカちゃん、おはよう」 爽やかにかわされる挨拶。その後ろから涼子が現れる。前にいるのはほのかに想いを寄せる太郎。これはラッキーと思い、足早にうしろから近づく。しかし277cmの涼子。その涼子の足早は普通の人の全力疾走にも匹敵する。 「太郎せんぱ〜…」 声をかけた瞬間、つまずいてしまう。それを踏ん張ろうと足を速め、結局走ってしまう。そのまま太郎に突進する形になった。 「わ、わ、わ、わ、わ〜っっ!」 バキン、メキ、ボコ、ドカ、ガシャン、ぴよぴよぴよぴよ… |
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| 解説しよう。
最初の「バキン」、涼子がなんとか体勢を立て直そうと標識を掴もうとしたが掴み損ない腕で標識をへし折った音。 「メキ」、そのまま持っていかれた標識が根元からねじ曲げられた音。 「ボコ」、さらに持っていかれた標識が地面から引っこ抜かれた音。 「ドカ」、そのままスピードも落ちず、太郎を巻き込んだ音。 「ガシャン」、太郎と標識を巻き込んだまま路上駐車してあった自動車に激突した音。 「ぴよぴよ…」、盗難防止の警報。 それが数秒の間に連続して発生した。今朝は標識と軽自動車を破壊。太郎は涼子の股の下から抜けて擦り傷ですんだ。警報の鳴り続ける車はあわてた涼子の「止まって〜」ハンマーの二発で沈黙&全壊。 |
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| 「…エリカちゃん…見た?」
涼子は泣きそうな表情で呆然と立っていたエリカに問う。無言でうなずくエリカ、見てない訳はない。 「こんど!こんどアイスおごるから黙ってて!」 エリカの返事を聞く前に自分と太郎のカバンを掴み、エリカと太郎を抱えると涼子は逃げ出した… _____________ どじっこ涼子エピソード第1弾。 すげえ迷惑です(^_^; 涼子本人、悪気はないんですけどね。エリカじゃなくて太郎が必ず巻き込まれます。つまずいただけで標識と軽自動車破壊。この要領で紗耶佳に勝ったのでしょう(笑) |
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